Whole-Nano Japan 技術紹介

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ガラス専用
クリーナー

型番と用途

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【1】 型番

代表的な型番を紹介します。
Philicon13が日本市場向けの製品です。

型番 TDS
Philicon13

Philicon13は液体ですが、ひとつの使い方として右図のようにスポンジに吸収させて乾かして保存する方法があります。
鏡などに使用する場合、鏡の表面に少し水を与えて、それからPhilicon13含侵スポンジで擦ると手が汚れません。

【2】 用途

用途はガラスの洗浄です。
酸化セリウムはガラスに対してのみ化学研磨作用があります。
酸化セリウムには赤外線フィルターや日焼け止めなどへの見当もされていますが、メインの用途は半導体プロセスにおけるCMP(化学機械研磨)です。
ただし機械研磨作用はあまり強くありません。例えばクレンザーやお酢をすこし混ぜて使うと研磨性がアップします。

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使用方法

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【1】 保管

直射日光を避け、容器を密閉し換気の良い冷暗所に保管して下さい。

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【2】 洗浄前作業

基材表面が熱い状態では塗布を控えて下さい。
基材表面の汚れが激しい場合はPhilicon13の使用前に素材の汚れを出来るだけ落として下さい。

マスクやメガネ、保護手袋など保護具を装着して下さい。

酸化セリウムは微粉末で、色々な隙間に入り込みます。
洗浄するガラスの周辺部材(シリコーンコーキングや枠など)につくと酸化セリウムの赤い色が残ります。可能な限りマスキングをして下さい。

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【3】 洗浄作業

スポンジや布などにPhilicon13を含ませてからガラス面を軽く擦って下さい。
しばらく経ちガラス面にPhilicon13を弾く場所が見られる場合はPhilicon13を含ませたスポンジや布などで弾かなくなるまで丁寧に擦って下さい。

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【4】 洗浄後

そのままにしておくとPhilicon13の研磨材がガラス状に残りますので、水をかけるか水を含んだスポンジや布などで洗浄面に残ったPhilicon13を除去して下さい。
あるいは洗浄後、洗浄面を乾燥させた後に乾いた布でPhilicon13の研磨材を除去して下さい。

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ガラスの洗浄

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【1】 ガラスの洗浄
【1-1】 各種洗浄方法

ガラスを洗浄する場合、概ね以下の方法が取られます。

機械的に研磨する

表面のカビやスケイル、固着した有機物などを全て取るには研磨は効果的です。
メラミンスポンジはある程度効果があります。
研磨粒子を用いればガラスは容易に削れます。 しかし硬くて大きな粒径の研磨粒子を用いるとガラスに深い傷が付き逆効果ですので注意して下さい。歯磨き粉あたりがマイルドで良さそうです。
モース硬度が修正されているのでその一覧を紹介します。
また、高圧洗浄機を使う方法も機械研磨の一つかも知れません。

物質 修正モース硬度
ガラス 5
石英 7-8
アルミナ 12
炭化ケイ素 13
ダイヤモンド 15

化学的に研磨する

  • 界面活性剤、アルコール:油分の除去には効果がります。
    新聞紙を使う方法もあります。印刷インキがガラスの油分の除去に効果があるそうです。
  • 酸:クエン酸や酢などで磨くとスケイルの除去に効果があります。(スケイルはアルカリ性塩なので)
  • アルカリ:重曹など。手垢や油汚れを分解します。
  • 酸化セリウム:機械研磨作用と化学研磨作用があります。
    Philicon13は酸化セリウムを含んでいます。

【1-2】 酸化セリウム

セリウムは希土類(レアアース)に分類され、日本では少量産出していますが、Whole-Nanoは中国産を使用しています。
高純度な酸化セリウムは半導体製造の研磨工程にも使われています。それ以外にも工業的に多く使われていますが、紫外線カット用に化粧品にも検討されています。
Whole-Nanoはコストパフォーマンスの良い中級品質のグレードを使用しています。不純物の影響でやや赤みがかった色になります。

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FAQ

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【1】 性能について

酸化セリウムは安全ですか?
危険有害性は分類対象外です。
自然界の土壌に存在している物質です。日本の土壌にも含まれますが含有比率が小さく商業ベースで採集が出来ません。 余談になりますが、セリウムにはヒ素、セレン、鉛など有害性物質を選択的の吸着してくれるという環境対策効果があります。
保存は出来ますかか?
長期保存が可能です。
静置しておくと酸化セリウムが沈降します。しかし瓶をよく振ることで容易に再分散します。
酸化セリウム自体は酸化物で安定です。
【2】 用途について

ガラス以外にも使用出来ますかか?
効果は半減します。
酸化セリウムの化学研磨効果はガラス(正確にはシリコン)に対して作用する為、他の材質には化学研磨効果が期待出来ず機械研磨のみの作用になります。
【3】 施工について

他の研磨剤と混ぜて使えますか?
概ね問題ありません。
Philicon13の機械研磨性は低く抑えているので、例えば頑固なスケイルの除去に水系の研磨粒子入り研磨材やクエン酸などを加えて使用する事が出来ます。
化学的に安定なので酸やアルカリで有毒ガスが発生する危険もほとんどありません。
少量のアルコール類を加えることも可能です。
ただ念のためには次亜塩素酸系などの漂白系洗剤などやパイプクリーナーのような強アルカリとは併用しない方が良いと思います。
1Lの塗料でどれくらいの面積を洗浄出来ますか?
使用方法に依るので一概には言えません。
例えばスポンジに含ませて使用する場合、スポンジに赤い色が残っている間は使用出来ます。
水を大量に使うと酸化セリウムは容易に分散して流れてしまうのであまり水を多く使わない方がいいでしょう。
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